2003年、2004年、2005年、そして今年。
私はいつもの百貨店の改装された文房具売り場で同じ手帳を見詰めた。
コバルトブルーの表紙の、一週間の予定と月間の予定が書ける
その手帳は4月始まりだ。
だから、3月のページを捲るたびにどこにも書かないけれど、
いつも行かないその百貨店に行くことを心のページに記す。
今年は買いに行くのが遅れて、5月も末になってからやっと行けた。
売り場の位置が変わって、書店コーナーの奥に移動した
明るいコーナーでラックに残っていた手帳を見詰める。
色違いのスカイブルーの手帳を手に取り、ペララッと捲る。
いつもと同じ手帳。ただ色が違うだけ。
そう言い聞かせる。
でもそっと棚に戻して、コバルトブルーの表紙を手に取り直した。
私は上手くなんてないから。気持ちの切り替えとか、成長とか艶やかには出来ない。
きっと、いつも、いつまで経っても不器用に引きずっていくんだろう。
好きだった気持ちや、あの体温や、ファインダーの中の笑顔や、そんなものたちを。
たぶん、今年も手帳のページは空白で、使うことはない。
だけど、売れ残っていてくれてありがとう。
そう小さく心の中で呟いて、レジを待つ行列に並んだ。
2006年6月16日記す