Hazuki Natuno

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一緒に生きよう 〜 虐待から立ち直る方法 〜

一緒に生きよう 〜 虐待から立ち直る方法 〜

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 私は家族から虐待を受けたことがあります。
 そのことで、ずっと苦しんできました。
 ある日「過去に受けた虐待から立ち直るにはどうしたらいいのだろうか」と考えはじめました。
 悩んだ末に、渋谷にある大きな書店に立ち寄り、虐待に関する書物を探しました。
 だけど、虐待防止に関する本はあっても、虐待からどう立ち直るか、といった内容の本はありませんでした。
 なぜだろう。たぶんそれは虐待を受けた人が立ち直ることがそれだけ難しいからだと思います。
 私も虐待を受けた一人として、完全に立ち直っているとは言い難いです。
 言い難いけれど、自分なりに自分を癒すための方法を模索してきました。
 その幾つかの方法について、自分なりに書いてみたいと思います。

1:虐待を受けたことを、ありのまま「認める」

 「認める」ことはとても大事です。
 なぜなら、虐待を受けた人は受けた事実や現実を否認してしまうことがあるからです。
 虐待と一口に言っても様々なものがあります。
 どんな虐待でも本人にとっては血を流すように痛いもので、その傷口は癒えることがなかなかありません。
 痛みに耐えるため「虐待があった」という現実そのものから眼をそらすこともあります。
 だけど、自分が立ち直るために「あった」ことを「あった」と認めることが大事です。
 それが、立ち直るための大切な一歩に繋がるから。

2:「現場」を離れる

 虐待に限らず、被害や事故、事件があった現場を離れることは精神的な安定に大きく寄与すると思います。
 もちろん、離れるためには前提があって、「認める」ことができていないと意味がありません。
 どんな被害を受けていたかと同じぐらい、どこでなにをされたかも立ち直るためには大切な情報です。
 私の場合、郷里を離れることができて、ようやく被害の「現場」から離れる重要性を自覚することができました。
 自分が加虐者にならないためにも、現場から立ち去ることは大事だと思います。

3:「愛」について学べるメンターを持つ

 虐待を受けた人が一番大きなダメージは「愛」を信じられなくなってしまうことです。
 なぜなら、虐待をする人が「お前を愛しているからだ」と言いながら虐待することがあるからです。
 もちろん、言葉であれ暴力であれ他の事柄であれ、誰かを傷つけるものは愛ではありません。
 それは、絶対に違います。
 だけど、虐待を行う当事者はそれが「愛」だと本当に思っていることがあります。
 だから、被虐者は愛について混乱するようになります。
 自分や誰かを傷つけることが愛だと錯覚するようになってしまします。

 大切なのは「愛する」という行為は本能や才能ではなく、ある種の技術だということです。
 大切な人に「愛している」と伝えるには表現力や行動が必要で、それは自分以外の他者が自分や他者に対して行う振る舞いを観ることで学ぶことができます。
 だから、あなたが愛を知らなかったり、愛情をどう表現して良いかわからない状況で育った場合は、「愛し方」を教えてくれるメンターを持つことが大切です。
 大切なのは、誰かに愛されることではなく、あなた自身が大切な誰かに「愛している」と伝えられるようになることです。
 それは必ず身につけることができます。

 愛を学ぶためにメンターを選ぶ場合に大切なことは、その人がエゴで愛を利用する人ではない人であることです。
 これはとても大切です。
 大切なのは愛は無償のものであって、条件がつくものではないからです。
 メンターとなる人と出会えることで、立ち直るきっかけを得ることができます。
 大事なのは「愛することを諦めないこと」だと思います。

4:「話せる」人に出会う

 4番目に大切なのは「話せる人に出会う」ことです。
 同時にこれはとても難しいです。
 なぜならば、虐待というテーマは本当に重い話題で、聴いている人にも虐待を受けた人と同じだけの負担や苦痛をもたらすからです。
 だから、話すときにはあなたが受けた被害と同じだけの痛みを相手に与える可能性があることを念頭に置く必要があります。
 もちろん、あなたは話さないこともできます。
 それでも、自分の体験を話すことは大切です。
 なぜなら、話すことによって「自分の感情を言語化しても、誰からも傷つけられない」ことを確認できるです。
 ただ、自分と話を聴いてくれる相手のためにもあなたの傷が深ければ深いほど、話す相手をきちんと選ぶ必要があります。
 できればはじめはきちんと訓練されたプロに話を聴いてもらうことを勧めます。
 次に傾聴の姿勢を持つ、本当に信頼できる人に話をしてみましょう。
 最後に「話しても」「話さなくても」自分の感情を認められるようになること。
 大切なのは自分の感情を自分で受け止めることができるようになることです。
 そのために「話す」というプロセスが大切なのだと私は考えています。

5:「自分を愛する」こと

 たとえ、なにがあっても自分を愛すること。
 これがとても大切です。
 あなたの被害や苦しみは膨大で果てがなくて、自分に絶望しているかもしれません。
 自分は汚れていて、愛される価値のない人間だと感じているかもしれません。

 でも大切なのはあなたが「愛される価値のある人だ」ということです。
 もっと大切なのはあなたは「愛する人」だということです。

 もし、あなたが誰も信頼できなかったら、まず自分を信じてみてください。
 あなたの受けてきた傷や痛みはきりがなくて、生きているだけでも不思議だと思います。
 誰も助けてくれない中で、それでもあなたは生きてきました。
 それだけの苦労をして生きてきたあなたは私はとても愛される価値のある人だと思います。

 そして、あなたはそれだけ苦しんで生きてきたにも関わらず、常に自分以外の誰かを思いやって生きてきました。
 愛し方がわからなかっただけで、あなたは大切な人を守るために、必死で生きてきたと思います。
 だから、あなた自身を褒めてあげてください。
 自分を責めることをやめて、そっと自分自身を抱きしめてみてください。
 生きてきたこと、生き抜いてきたことをただ黙って認めてあげてください。

 どんな傷があってもあなたはあなたで、
 どんな過去があってもあなたはあなたです。
 あなたが、あなたであるというだけで、
 あなたは愛される価値があります。

 誰かを愛するように、自分を愛することを常に忘れないでほしいと思います。
 なぜなら、愛は一つじゃなくて、増えるものだからです。
 あなたがあなたを愛した分だけ、かならず誰かにその愛は伝わります。
 誰のためでもなく、ただ自分のために自分自身を愛すること忘れないでほしいのです。

 人間はいろんな過去があって、傷があって、未来があります。
 人は十人十色で、違うからこそ価値があります。
 いま泣いている人も、笑っている人にも、私は「そのままでいいんだよ」と私は伝えたいと考えています。
 なぜなら、私も誰かの支えがあっていまここにいるからです。
 無理に立ち直る必要も、立ち上がる必要もありません。
 だけど、次に進むために、あなたが少しでも楽になってくれたらいいなと考えています。

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