Hazuki Natuno

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小笠原と鎌倉で2拠点居住、はじめました

小笠原と鎌倉で2拠点居住、はじめました

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こんにちは、夏野葉月です。
2019年3月29日から小笠原諸島父島にて暮らしています。
4月から5月にかけて官公庁系機関でのアルバイトしつつ、小笠原に居住しています。
勤務先で8月から9月も働けることがほぼ決まり、居住予定が伸びることになりました。
6月から7月にかけては仕事が休みのため、鎌倉に帰ります。
この記事では小笠原と鎌倉の2拠点居住の私の生活について、紹介したいと思います。
「こんな生き方があるんだ!」と面白がってもらえると嬉しいです。

0.私のことを知らない方に自己紹介

私の名前は夏野葉月(なつのはづき)と言います。
鎌倉市に在住する40代の写真家です。
双極性障害(躁うつ病)と解離性同一性障害(多重人格)を闘病していて、精神障害者手帳を所持しています。
2013年から2014年にかけて取材のために小笠原諸島父島に移住していた経験があり、小笠原諸島をテーマとした写真展を過去3回開催しています。
またスイスやスペインで写真展を開催した経験があり、雑誌やWebマガジンに写真と文章を寄稿するライターでもあります。
好きなことは写真を撮ること、旅行をすること、文章を書くことです。

1.2拠点居住のきっかけ

そもそも今回のきっかけは「メンタルの調子が極端に崩れたから」でした。
昨年12月まで教育関連企業のフォトグラファー職に採用され、契約社員として働いていたのですが、激務すぎて身体を壊しかけました。
動画と写真の撮影と編集だけでなく、音楽家の手配や著作権契約書の作成など仕事が増えに増えて、仕事が集中した週は1週間で5回撮影&5本動画編集を仕上げるなどハードなスケジュールに身体のほうが悲鳴をあげました。
またある方に著作権およびプライバシー侵害の訴訟を提起し、昨年は本当に大変でした。
そんな無理はいつまでも続かずノックダウンし、仕事を辞めることになりました。
今年1月は人格の交代が非常に増え、日常を送ることも困難になりました。
2月に裁判もなんとか無事終わりましたが、ストレスその他で崩れた心身の状態はなかなか戻らず、「どうしたらいいのか」と悩む日々でした。
そんなとき、ふっと「小笠原、行きたいな」と思ったのです。
旅行として行くのではなくて、しばらく生活したいなと考えるようになりました。

2.小笠原への面接旅行

そこで知りあいやお世話になっている方に相談しつつ求人の問いあわせをしたところ、以前働いた官公庁の部署が「実は働いてくれる人を探しています」とのご連絡がありました。
そして先方の依頼で面接に行くことになり、3月4日から9日まで小笠原に面接旅行に行ってきました。
面接旅行では、行きのおがさわら丸に乗船中に前歯の差し歯が取れ、小笠原の歯医者で治療してもらってから面接を受けたり、同じ船に島嶼学会のエクスカーションツアーに参加している研究者の方々が乗船されていて仲良くなったり、非常に楽しい旅行になりました。
面接では働く部署の課長や係長の方々と率直にお話しして、週4日勤務希望であること、心の病を闘病していることなど率直にお話ししました。
障害者手帳を持っていることも包み隠さず話したので、受かるかどうか自信がなかったのですが、その後採用のご連絡をいただくことになりました。

3.小笠原での住まい探し

勤務先が決まったので、今度は住まい探しです。
小笠原は住宅難で、国立公園となっていることや戦前からの土地問題があり、賃貸も含め住むところを見つけることが難しい状況が続いています。
ただ今回はラッキーなことに知人の経営してるアパートが空いたり、扇浦にできたシェアハウスに空きがあることがわかったりと複数の候補があり、最終的に2018年に取材で滞在したときに貸していただいた知人の方の物件をお借りすることができました。
その物件はキッチンやシャワーや家具家電がすでにあるトレーラーハウスだったので、準備するものが最小限で済み、本当に助かりました。

4.小笠原への移住準備

採用が決まり、住む場所も決まったので、次は移住準備です。
小笠原は繁忙期を除いて週に1便しか船がなく、かつ飛行機場や航空路がないので、4月1日の勤務初日までに移住するには準備にかけられる期間が非常に短いことがわかっていました。
面接旅行から鎌倉に帰ったのが3月9日。
4月に勤務するために小笠原に戻れる日程の船は3月22日竹芝発23日父島着か、3月28日竹芝発29日父島着、どちらかの選択肢しかありませんでした。
私は3月28日のチケットを購入し、準備を進めることにしました。
今年の確定申告は早めに終わらせていたものの、3月締め切りの小説の公募賞への応募と障害者年金の申請の手続きをしていました。
どちらも紙での提出が必要だったので、小説を完成させたり申請に必要な書類作成しつつ、小笠原に持参したい書籍を電子化したり移住準備を進めました。
住民票の移動は悩んだのですが、障害者年金の申請中であること、住民票の移動によって健康保険や年金や障害者手帳など手続きが増えることから今回は鎌倉に在住のままで移住をしようと決めました。
お借りしてる家はインターネット回線がないので、契約している格安SIM回線のプランをデータ利用量が多いものに変更しました。
あと小笠原に持参する荷物の荷作りは服と本と雑貨を中心に、食器や生活用品は小笠原で購入する道を選びました。
カメラや家電については「デジタル一眼レフカメラとレンズ2本」「コンパクトデジカメ2台」「ノートPC」「モバイルHDD2台」など持参する機材を厳選し、移動時に自分のカメラ用リュックと手持ちのバッグに収まるように配慮しました。
持参したかった小笠原で撮影した写真作品集はサイズがA3でページ数も多くて重さも大きさも嵩張るため、寺田倉庫の運営するレンタル倉庫サービス「minikura」に預け鎌倉でも小笠原でもいつでも受け取れるように手配しました。
島に住み始めて必要だと感じた生活用品や衣服などは、島にあるリサイクルショップやメルカリやAmazonなど通販を活用して購入しています。

5.自分の障害や医療に対する対策

「障害を持ちつつ多拠点居住をする」ということにハードルを感じる方もいると思います。
私は精神の障害なので身体の障害の人よりは対策が取りやすいですが、それでも障害や医療の対策や対応を行っておく必要があります。
私が行ったのは「遠隔でも診察やカウンセリングを受診できるようにする」「処方が変わったときの対応について家族と話しあう」「自分が普段服用している薬を多めに持参する」などです。
私は過去の移住経験から、小笠原に滞在してると症状が安定するという実感があります。
ただその経験を元に楽観視することと対策を取らないことは全然別の問題です。
障害を持っているからこそ、周りの知人友人に心配をかけないためにも、対策や準備をしておく必要があると思います。
幸い私の主治医の所属するクリニックは電話による診察やカウンセリングに対応していたので、滞在予定の期間中の診察およびカウンセリングの予約と支払いをし、受診できるようにしました。
また主治医と相談し、薬も滞在期間分の処方をしていただき、常用薬を島に持参するようにしました。
鎌倉にいる家族にもし薬が足らなくなったり処方が変わった時のために、代わりに処方箋を受け取り薬を小笠原に送ってもらえる方法を説明し、理解を得ました。
内科系の薬に関しては鎌倉のかかりつけ医にお願いし、いつも服用している風邪薬や目薬を多めに準備しておきました。
小笠原には父島と母島に診療所があり、離島としては非常に充実した診療体制があります。
それでも外科医や産婦人科医や精神科医を含む専門医は在籍していないので、持病や障害のある人はしっかり対策を準備されることをお勧めします。

6.小笠原と鎌倉の2拠点に住むメリット

3月29日から小笠原に再移住して1ヶ月が過ぎました。
幸い、病状は担当のカウンセラーも驚くほど安定していて、主治医と相談して薬の減量もはじめています。
職場の上司や先輩も、家を貸していただいている大家さんも非常に優しく穏やかな方で、本当に暮らしていて楽しいです。
でもこれは私の力ではなくて、たまたま幸運が重なっただけだと思っています。
こうして私が小笠原で暮らせているのは家族の理解や協力なしには成り立ちません。
また友人や主治医やカウンセラーも含め、目に見えない協力を得ています。
特に鎌倉に住む夫の協力や友人とのつながりはとても大切で、ありがたいと思っています。
いま私は鎌倉で友人と共に立ち上げたプロジェクトに関わっていて、1週間に1度Zoomを使ったオンラインミーティングに参加し、企画の準備を進めています。
多拠点居住する意味は複数の土地に住むということでなく、その土地を起点としたつながりを複数持つということです。
人とのご縁やイベントや企画への参加の機会が2倍に増えることそのものが、私にとって良き成長のチャンスになっています。

7.大切なのは「謙虚さ」「献身の心」「感謝の気持ち」

私が小笠原と鎌倉に住むにあたって、大切だと感じていることは「謙虚さ」「献身の心」「感謝の気持ち」です。
私たち人間は、人間が世界で1番賢いと勘違いしがちです。
ですが、小笠原という自然の中で暮らしていると人間は地球に生きる一種の生命体に過ぎず、クジラやイルカや鳥たちと同じように、この時空間に「活かされている」というほうが正しいと感じます。
限られた空間やエネルギーを人間だけでなく、人間以外の生命や種族と分けあう謙虚さが必要ではないでしょうか。
あと周りの人や環境のために働こうとする献身の心や、周りの人々や環境に常に「ありがとう」という気持ちを持つことがすごく大切です。
旅行と違い、その土地に住むことは「その土地の幸福や発展のために責任を持つ」ということに他なりません。
いま多拠点居住やアドレスホッパーがバズワードになっていますが、自分にとって得のある居住を目的とするのではなく、自分がその場所に住む意味や滞在することでその地域にできる貢献について考えて行動すると、価値のある移住や滞在になるのではないでしょうか。
もしもあなたが小笠原に限らず、いつも暮らす場所と異なる土地に滞在や移住をしたいと思ったなら「その土地に暮らす人々や環境のためになにができるか」を考えるとより良い経験になると思います。
もしあなたが住んでみたい土地と出会ったら、旅行だけでなく多拠点居住や長期滞在を試してみてください。
人生の楽しみがグッと広がりますよ!

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