Hazuki Natuno

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一緒に生きよう 〜 うつ病という「心の腰痛」から回復するために大切なこと 〜

一緒に生きよう 〜 うつ病という「心の腰痛」から回復するために大切なこと 〜

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 おはようございます、夏野葉月です。
 私は長年、躁うつ病を闘病してきました。
 躁うつ病は元気過ぎる「躁状態」とやる気の出ない「うつ状態」が交互にやってくる病気です。
 この記事では、うつを腰痛に例えて説明しつつ、うつ病やうつ状態を楽にする考え方を伝えたいと思います。

1:「うつ状態」と「うつ病」の違い

 うつは大きく分けて「うつ状態」と「うつ病」分けることができます。
 心のエネルギーが枯渇し、気分の落ち込みが続くのが「うつ状態」、うつ状態が2週間以上続き、自分の努力ではうつ状態を改善することが困難な症状が現れるのが「うつ病」と考えてください。

 特にうつ状態が酷いときは、「うつ」ほど人を悩ませているものもないと考えることがあります。
 気分が落ち込み、それが何週間も続き、気持ちを切り替えられない。
 生活に必要な行動が徐々に困難になり、自分を責めてしまう。
 うつ状態とは違って、「うつ」は自分でコントロールすることができません。
 「うつ」という状態そのものが自分の力だけで乗り越えられない「なにか」が心に起きているサインです。

 うつ病は自分だけで治そうするのはとても難しいのです。
 うつ状態からうつ病に悪化した場合は適切な医療機関への受診や通院、薬の 服薬やカウンセリングを含む精神療法、あるいは家族や友人のサポートなど様々な周囲の手助けを必要とします。
 周囲の手助けを求めることは恥ずかしいことではありません。
 むしろ、いまとても落ち込んでいるあなたに必要なことなのです。

2:うつは「心の腰痛」

 では、うつ状態の状態からうつ病に変化する前にうつを楽にする方法はなにかないでしょうか。
 もちろん、重篤なうつを自力で治すのは困難です。
 ただうつ状態に自分で気がつくことによってうつを軽いうちに対処することはできます。

 例えるなら、うつは「心の腰痛」なのです。
 腰痛は「体に疲労がたまったとき」「背筋、腹筋に代表される筋肉が弱ったとき」「生活習慣が乱れたとき」「重いものを持つなど、体にストレスがたまったとき」におきます。
 心は心だけで存在している訳ではありません。
 身体に骨や筋肉があるように、心にも骨や筋肉があると考えてみてください。
 うつ状態がおきているということは「心に疲労が溜まり」「心の筋力が弱り」「心の生活が乱れ」「心の中に重いものを連続して持つ」などをした結果、ストレスが心に過負荷をかけているというサインです。
 では、どうしたら心の中で起きている腰痛を軽くすることができるでしょうか?

3:心を「休ませる」

 うつが続いているとき、あなたの心と体には疲労が溜まっています。
 まずはゆっくり休むこと。心は身体より疲労に気づきにくく、抜けにくい性質を持っています。
 心は見えないので、身体の疲労より心の中に貯めがちです。
 心の疲労に気がついたら、それは「いま疲れたよ、休みたいよ」という心と身体のサインです。
 大切なのは休養をとるだけではありません。「心が休む」ことが必要なのです。
「たっぷり寝る」「落ち着く音楽を聴く」「部屋やベッド周りを好きな色で飾る」。
 どんなことでも構いません。
 まずは元気が出るまで、しっかりと心を休ませてあげてください。

4:心の筋肉を「鍛える」

 心に筋肉はあるのでしょうか。私はあると考えています。
 心の筋肉とは「物事をポジティブに考えられる力」のことです。
 人は心の力が弱くなると、物事をネガティブに考えるようになります。
 物事の善し悪しは心の受け取り方で決まります。
 だけど、心が弱っているときはポジティブに考える力そのものが弱っているのです。
 人は生来ポジティブな人と、ネガティブに考えがちな人に分かれると思います。
 もし、あなたがネガティブに考えがちになっているとしたら、心が弱ってそうなっているのかもしれません。
 「好きなものに囲まれる」「ポジティブに考える人と会う」「元気になれる言葉が載っている本を読む」。
 心が弱くなることがあるならば、心を強くすることも可能です。
 日頃から、心を鍛えることを心がけてください。

5:心の生活を「整える」

 甘いものやお酒の食べ過ぎで体重が増え、腰痛になる機会が増えた。
 生活の乱れが、身体の不調になって現れることはあることです。
 同じように、生活が乱れることで心の中が乱れ、心が疲れてしまうことがあるのです。
 掃除ができず、部屋が汚くて落ち込んだり、身だしなみがだらしなくなり、自分を責めたり。
 心が弱りすぎるとお風呂に入ることも、歯を磨くこともおっくうになりがちです。
 そのうち、ご飯を三食食べることや、ぐっすり眠ることも困難になることもあります。
 生活の乱れに気がついたら、「心に良いものを食べる」「心も休まる睡眠をとる」「心が整う生活を送る」ことを心がけてください。
 ファーストフードを食べる回数を減らしたり、寝る前にスマートフォンを使う回数を減らしたり、いつもより丁寧に掃除をしたりするだけでも変わります。
 心が健やかに過ごせる生活をぜひ心がけてみてください。

6:心の「重荷を下ろす」

 重い荷物を長い時間を持ち、腰が痛くなるという経験は誰にでもあることだと思います。
 過去におきたいじめや虐待、家庭や職場での葛藤や軋轢を含めて、様々な悩みは心の重荷となって精神や身体の不調となって表れます。
 大切なのは、「重荷を自覚すること」です。
 人はストレスを感じていても、なににストレスを感じているのかわからないときがあります。
 特に身体と違って心に重荷を持っている場合は、ずっと重荷を持ち続けた結果、なにを重荷と感じているのかわからなくなることもあるかもしれません。
 まず、なにをつらいと感じているか明らかにします。
 紙やノートに書く、信頼できる人に聴いてもらう、録音できる機械を使って自由にしゃべり後から聞き直す。
 まずは自分の心が感じている重荷を明らかにし、それを軽くしていきます。
 もし、とても重い荷物で一人で下ろすことが難しい場合は、専門家や信頼できる人に手伝ってもらうのも良いかもしれません。
 大切なのはあなたの心が軽くなり、楽になることです。
 そのためになにが必要か、自分の心と身体に丁寧に聴いてみてください。

7:まとめ 〜 心が痛むときほど、自分を大切にすること 〜

 腰痛に限らず、心や体が痛むことはそれだけでストレスになることです。
 痛むときほど、自分を大切にすることを心がけてください。
 身体が痛むときは、痛む場所を撫でると楽になると言います。
 自分の心も撫でるように、労ってくださいね。