Hazuki Natuno

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縁を結ぶ、ていねいな手の仕事

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2020年10月30日金曜。
友人が父島で開催した「縁∞商店 (えんむすび商店)」に遊びに行く。

縁結び商店は、小笠原の友人たちが内地の手作り作家さんの商品を販売するイベントだ。
不定期の開催で、私が前回島の移住を終えてからはじまるようになった。
SNSで開催の様子を見ていて、とても可愛らしい商品ばかり販売していて、とても気になっていた。
コロナの影響もあったからか、とてもひさしぶりの開催で、初参加するのを楽しみにしていた。
縁結び商店は10月30日から11月1日の3日間の開催だった。
初日の朝開店1番に出かけた。
草木染めや藍染の服、マクラメ編みや天然の麻を使ったアクセサリー。
ていねいに作られたアイヌ刺繍のバッグやマスク。
身体を優しく包むことを考えられた製品ばかりで、どの作品もとても美しい。
悩みながら商品を見ていると、どれも欲しくなってしまった。
普段は母の顔をした友人たちも、少女のように嬉しそうに試着している。
私は主催者の友人にお願いして、撮影することにした。
会場になった緑豊かな山の麓にある父島の宿「シャンティバンガロー」の雰囲気と相まって、素敵な写真が撮れた。


 

 

 
私は悩みに悩んで、屋久島のアクセサリー作家のペンダントを買った。
屋久島の夜光貝と屋久杉とペリドットを使った、ハチドリの形をしたペンダントだ。
私は普段アクセサリーを買わないけれど、この作品だけは買いたいと思った。
試着をしてみると、とても軽い着け心地で胸元に小鳥がとまっているように見える。
繊細で、それでいて力強い。

ていねいな手仕事は、人に優しい気持ちを与える。
作家さんの作品と購入者を、縁結び商店の優しい空間が包んでいた。
私の写真も、誰かと誰かの縁を結ぶ一助となりたいな。
そんなことを思いながら、シャッターを切った。