Hazuki Natuno

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幸せは求めるものでなくて、感じるもの

幸せは求めるものでなくて、感じるもの

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7月8日に約3週間の内地滞在を終えて、小笠原に帰った。
相変わらず中途覚醒が酷く、きちんと眠れない日々が続いた。
睡眠は健康の根幹にある。眠れなければ、どんどん元気はなくなっていく。
7月13日に小笠原への帰宅を付き添ってくれた夫が帰った後、人間ドックの検査結果を見た。
視力の項目に要精密検査、乳がん検査の項目が経過観察だった。
左目の視神経に異常があり、緑内障の疑いがあるとのことだった。
8月1日からの仕事が始まれば、2ヶ月は内地に上京できない。
緑内障の可能性があるなら、検査は早い方が良い。
眼の病気についての本を読みつつ、あちこちの病院に問い合わせの電話をする。
無事に7月23日に予約が取れて、7月21日の父島発のおがさわら丸で再度上京することになった。

7月22日に竹芝について、その日は五反田で出版に関する講座を受けた。
翌日の23日はかつて通っていた大学病院で眼科と乳腺外科の検査を受けた。
乳腺の検査結果は以前とほぼ変わらず、しこりは多くあるけれどほぼ良性なので、また経過観察になった。
眼科は眼底、眼圧、視力と様々な検査を受け、ドライアイとアレルギー性結膜炎になっていると診断された。
ただし、緑内障の検査に必要な視野検査の機械の予約が半年先まで埋まっていて、検査できないと言われた。
眼科の予約を取るときに、緑内障の疑いがあるからと説明したはずだけれど。
受診したのに、検査できないというのは若干納得ができない。
結局紹介状を書いてもらって、7月24日にみなとみらいの小さな眼科を受診した。
なんだかやる気のない眼科で、視野検査はできて「緑内障ではない」とは言われたが、ドライアイも結膜炎もこちらが指摘するまで気づかないというやる気のなさで、流石に不安になって、別の眼科にも受診することにした。
いろいろ探して、結局鎌倉の眼科を受診して、そこでも「緑内障ではない」という診断結果だった。
ただし、緑内障の予備軍ではあるようで、半年から1年に1度、診察や検査を受けるように言われた。
2日間で眼科を3軒受けて、正直ぐったりぐったりしたが、安心できる結果で良かった。

元々31日小笠原着の船で帰る予定だったが、検査も終わり台風も近づいているとの予報なので、26日竹芝発の船で小笠原に帰ることにした。
着発の時期とはいえ、1週間の内地滞在は思ったより慌ただしく、夫と映画を見に行ったきりで、他の友人に連絡することは全くできなかった。
ちょっと残念と言えば、残念な話だ。

こうして小笠原に帰ってきて、睡眠薬の力を借りつつ、きちんと寝た。
8時間寝ることができて、目が覚める。
この一ヶ月、寝ても寝ても2時か4時に途中覚醒し、朝起きると眼精疲労という日々だった。
だから夜寝た後、1度も起きずに朝起きることができるというシンプルな日常が戻ってきたことに心底ほっとした。

眼が見えること。
眠れること。
食べられること。
自分の足で歩けること。
友達と話すこと。

私はバランスの崩れやすい人間で、1度崩れると食べることも眠ることも話すことも困難になる。
そうしたバランスを少しずつ取り戻してみると、「日常」がどれだけありがたいものか、わかる。
幸せは外部に求めるものではなくて、あることをただ感じるものだと何かで読んだ。
いま、私がこうして生きていること、眼が見えていること、眠れること。
そうしたささやかな、だけど大切な幸せがあることに、日々感謝したいと思う。