こんにちは、夏野葉月です。
今日の記事では、治療を支えてくれる「医師・家族や友人・薬」を三本脚の椅子に例えて、支えの大切さについて書きたいと思います。
1:人は支えなしには生きていけない
治療に取り組む上で、大切な心得があります。
それは人は支えなしには生きていけないということです。
心の病に限らず、病気の治療は心に負荷がかかります。
私たちは疲れたときに椅子に腰掛けて休むように、治療を続ける上で疲れた心や体を支える助けが必要です。
私は以前診ていただいていたカウンセラーの先生にこのように教わりました。
「治療を続ける上では医師、家族や友達、薬の支えが必要です。
椅子が二本脚では倒れてしまうように、どれも葉月さんの治療を支える上でかけがえのないものです。
そして趣味や仕事、友達のように椅子を支える脚が三本、四本、五本と増えていくごとに心は安定していきます。
葉月さんを支える椅子の脚を増やしていきましょうね」
それではそれぞれの脚はどのように支えてくれるでしょうか。
2:「医師」という支え
心の病を治療していく上で、専門医の手助けが必要です。
心の病には「脳の病」としての側面があります。
私たちがうつ状態や躁状態になるきっかけとして、ストレスがあります。
ストレスは脳細胞にあるホルモンや神経伝達物質に影響を及ぼし、脳を含めた体のバランスを崩す原因になります。
セロトニンの現象やノルアドレナリンの異常に対処するためには的確な薬の処方が必要です。
こうした薬物療法や薬以外の精神療法、作業療法など治療のプログラムを組むためには専門医の手助けが絶対に必要です。
診ていただいた医師の状況によっては、治療の手法の内容や必要性についての説明の時間が不足することもあります。
医師との信頼関係を作るためにも、自分の病気についてメモをとり、現在の病状を正確に伝えることが必要です。
また、わからないことがあったら質問をするなど、自分の病気についての理解を深め、治療に積極的に関わる姿勢が大切です。
3:「薬」という支え
うつ状態とうつ病は違います。
もし、あなたがなにかのストレスを一時的または継続的に受け、気持ちや身体に異常をきたしたとき、薬による治療が必要になります。
いま精神科の薬は大変進歩し、副作用がある薬はとても減りました。
ですが、薬の効果は正しく服用することではじめて現れます。
また処方された薬だけでなく、日々の食事などに気をつけることで、薬物療法の効果を高めることができます。
また、薬の効果は服用から少し遅れて効果が効き始めます。
抗うつ薬が効き始めるのは服用から3,4日後ですし、「よくなってきた」と実感できるようになるのは1ヶ月ほどかかることもあります。
また、その人にあった薬を見つけるために薬の処方の調節が重ねられることもあります。
大切なのは焦らないことです。
良くなると信じて、処方通りに薬を飲む。
また「効かない」と感じられたときは医師と相談して、処方を変える。
こうした気の長い薬とのつきあいが、より良い治療を行っていくうえで必要です。
4:「家族や友人」の支え
治療を継続していく上で、家族や友人の支えはとても大きな力になります。
心の病気は幾つかの偏った思考パターンをもたらすことがあります。
例えばうつ状態にあるとき、自分を責めやすくなり、孤立感を感じることが強くなります。
そんなとき、家族の人がそばにいてくれるだけで、闘病している当事者にとって、とても心強い支えになります。
ただし、病気を闘病しているときには当事者にしてほしいこと、してほしくないことが幾つかあります。
そうした当事者の心を尊重するためには病気に対する理解が不可欠です。
いまは心の病についての入門書や家族向けの一般書があります。
こうした本を家族の人に読んでもらい、治療を継続する上でどんな支えを必要としているか、一緒に考えていくことが大切です。
逆に家族が不仲であるなど、家族に理解を求めるときが困難なケースもあると思います。
そんなときは家族から距離をとり、自治体のサポートや友達の助けを借りることも視野に入れてみてください。
5:まとめ 〜 自分を支えてくれる椅子の脚を増やしていこう 〜
治療には長い時間が必要になります。
治療中はどうしても自分自身や自分の未来を低く評価しがちです。
ですが、医師や薬や家族の支えによって苦しく困難な時期を乗り越えることができます。
当事者自身とその協力者が共に連携をとりながら、より良い治療を続けていくことが大切です。
自分を支える椅子の脚を太くし、脚の数を増やしていきましょう。