うつ病を含む気分障害は再発しやすい病気です。 大うつ病は治療を止めると一年以内に約半数が再発するとされています。
また、躁うつ病では治療を中断すると9割以上が再発するとされています。
では、どうしたら再発を予防できるのでしょうか?
1:どうしてうつ病は再発しやすいのか?
うつ病も躁うつ病も一度再発すると再発しやすくなると言う性質があります。
以前なら耐えられたストレスも、発症後は耐えられなくなり、少しのストレスでも調子が悪くなりやすくなります。
これは神経回路の特性によるものです。
神経回路はある回路が頻繁に使われると伝達が起こりやすくなるという性質があります。
良い状態が繰り返されれば良い状態を伝える回路が促進され、悪い状態が繰り返されれば悪い状態を伝える回路が促進されます。
悪い状態を伝える回路をあまり使わない状況にすることで悪い状態そのものが起こりにくくなります。
つまり再発を予防することが更なる再発を防ぐ一番の手立てです。
2:再発を予防するために「寛解」を目指そう
では再発しやすい状態を防ぐためにはどうしたら良いでしょうか。
それには十分に回復した状態が少なくとも一年以上続いている必要があります。
服薬あるいは診察を続けることで日常生活に支障の来さなくなる状態を「寛解」と言います。
寛解は完治と違い、薬の服薬や診察を続けることで病気と共存している状態です。
この寛解の期間が長ければ長いほど、その後のクオリティオブライフは安定していきます。
寛解の期間が長くても油断は禁物です。
なぜなら一度気分障害を発症すると、一度も発症したことのない人に比べて再び発症する可能性がとても高くなるからです。
ですから寛解した後も油断せず、治療を継続することが大切です。
3:まとめ 〜治っても油断せずに、寛解を維持しよう〜
うつ病の再発予防には少量の抗うつ薬等の服薬を継続することが大切になります。
薬の量は徐々に減らし、最小限の量を服薬し続けることで再発を予防することができます。
躁うつ病はうつ病より再発しやすいため、一定量の気分安定化薬や非定型抗精神病薬を継続して服用することが重要です。
また気分障害には生活習慣病の側面もあるため、食生活の改善やより良い睡眠など生活を整えることが寛解期の安定に繋がります。
治ったからと油断せず、長い眼で病気とつきあっていきたいですね。