Hazuki Natuno

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有り難い世界の美しさに「ありがとう」

有り難い世界の美しさに「ありがとう」

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4月から、友人やお世話になっている人との人間関係がぎくしゃくしていた。
友人にかけても電話が繋がらなくなったり、返事がなかったり、疎遠になったりした。
4人ぐらいこうしたことが続いて、「原因の半分は私にある」と思えるようになった。
私は人間関係の距離の取り方が上手ではない。
近づき過ぎて遠ざけられたり、逆に疎遠になったりする。
喧嘩になることもあるし、縁が無くなることもあった。

まずは、喧嘩した相手と話しあおうと思って、電話の約束をした。
率直に話してみたら、私が相手に怒っていたことは言葉のすれ違いであったことがわかった。
彼が間違っていたことや私の誤解を言葉で解きほぐしていくと、関係が修復されていった。
彼も彼で、私とは別の人との人間関係でも行き違いがあり、悩んでいたことがわかった。
誤解したままより、言葉を尽くして話しあうほうがいい。
1時間以上の長電話になったけれど、話せてほっとした。

電話の最後のほうに、彼がぽつりと言った。
「僕の言う『ありがとう』は軽いとヨガの先生に言われた」
私はこう、答えた。
「ありがとうは『有り難い』って書くよね。君はありがたいことがあっても、それが当たり前だと思っているのではないかな」
彼への言葉は、そのまま私への言葉だなと思った。

私も含めて、世界に存在する「有り難いこと」を失念している人間は多々いると思う。
日々飲む水も、光も、外出できる自由も、ありふれている訳ではない。
空気が綺麗なことも、海があることも、友達と話せることも、本当はとても有り難いことだ。
世界が美しいことも、世界を「美しい」と思えることも、本当に有り難い。

そして、人間は愚かだから失ってみなければ「有り難い」ことがわからない。
そして「ありがとう」の気持ちを忘れてしまう。
そう思うと「ありがとう」と思える心こそが、1番「有り難い」ことだ。
感謝や愛情を感じることができるからこそ、「ありがとう」という言葉は生まれてくるから。

世界は本当に、美しい。
日々の光も、海も、夜の星も、友の愛も、すべて美しい。
いま生きていること、世界に生かされていることに、深く感謝したい。

いまこの世界に生きる、すべての存在に「ありがとう」。