ずっと長いこと、孤立していた。
家庭や、学校や、社会から。
誰も信頼できない、子どもだった。
ある日、家を出て旅をした。
世界は僕が思っているより、小さかった。
旅はほんの少しだけ、僕を大人にした。
孤独と孤立は違う。
僕らは誰もが淋しさを抱えている。
その淋しさは繋がることでは癒せない。
誰しも自分の内側に花の咲く泉がある。
その泉の名前はそれぞれ違う。
ただ、必ず花が咲いている。
その花を探すために、僕たちは生きている。
その花は優しくて、温かくて、可愛いだろう。
同時に冷たくて、哀しくて、凍えているだろう。
その花を咲かせるのも枯らすのも、僕たち次第だ。
僕らが咲かせる花に、一つとして同じ花はない。
薫りも色も、なにもかもが違う。
だからこそ、美しいのだろう。
僕らは孤独で、その哀しみは癒せない。
だから、花を探している。
だけど、花は探すものじゃない。
咲かせるものなんだ。
2016年4月26日記す