2017年。
新しい年がはじまった。
今年の元旦は小笠原で迎えた。
2015年以来、1年ぶりの小笠原だ。
今年の正月は小笠原に母も一緒に来島した。
小笠原がはじめての母は、24時間かかる船の旅に参っていたけれど、上陸してからは楽しんでくれていた。
母は今年70歳になる。
良くも悪くも、母と遠方に出かける旅行はこれが最後だろう。
すべての写真はある種の遺影だ。
過ぎ去り、消えていくとわかっているから撮る。
失ったときの想い出のよすがが微かでもいいから、欲しくて。
母をいつ失ってもいいように、私は母の遺影を撮りに小笠原に行ったのだと思う。
終始楽しそうだった母を写真の中で観るたびに、行って良かったと思った。
新しい年のはじまりに、新しい光があるように。
写真という光の中で笑う母を見つめて、心から祈った。