Hazuki Natuno

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朝の海、月の夜

朝の海、月の夜

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朝目が覚めると、空が晴れていた。
久しぶりに朝ごはんを食べに、海に行く。
いつも自転車で辿る道を、今日はビーチサンダルで歩いてみた。

大好きなパン屋は定休日で、今日はおにぎりを買う。
てんむすが売り切れているから、今日のおにぎりの具材はたらこと梅。
おにぎりを作っているお店の人と笑いながら話す。
「今日はスカートだね」
「うん、たまにはね」
私は笑う。
なぜなら波打ち際で足を水に遊ばせるには、ワンピースの方が気楽だからだ。

そのままおにぎりを持って、海に向かう。
私の1番近い大村海岸は、通称前浜と言う。
街の真ん中にあって、大神山公園とつながっている。
青灯台という灯台や公園とつながっているおかげで、ウッドデッキがきちんと整備された人のぬくもりを感じさせるビーチだ。

私はどうしたわけかこの前浜が小笠原の砂浜の中で、1番好きだ。
いつもどこかに人がいるから、静かなようで寂しくない。
人の気配がする、だけど優しい波の音。
街中にあっていつも穏やかなところ。
そんな一つ一つの要因が、私をいつも前浜に向かわせる。
朝こうしておにぎりを食べる時も、昼お弁当食べる時も、あるいは夜波打ち際に散歩する時も、私はいつもなぜか笑っている。

昨夜は月夜に前浜に来た。
朝か昼か夜か、どこかの時間帯で前浜に来るけれど、実は夜の海が1番好きかもしれない。
14日が満月で、もうすぐで丸くなる月を見上げながら、波打ち際で波を見ていた。
雲の隙間から煌々と光る月明かりが、まるで太陽の下にいるようて、それでいてどことなく翳りがあり美しかった。
だけどこうして朝の光の下に見る舞浜の波も、素晴らしい透明度でやはり美しい。

去年1年間の荒れた生活の中で、私の中の心の感性はとても死んでしまった。
けれどこうして小笠原にいると、私の枯れた心が少しずつ潤い芽生えていく、そんな気持ちになる。
私は心を蘇らせるために、心を癒すために、この島に導かれたんだろうといつも思う。
雲と波と風の音に包まれながら、朝食を食べる。
おにぎり2つだけのシンプルなご飯は私ののんびりとした性格にある意味あってるかもしれない。

もうすぐ仕事が始まる。
家に帰って準備しなければいけない。
わかっているけれど、本当はこのまま海で泳ぎたい。
そんな風に後ろ髪を引かれながら、私は朝の海を後にした。

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