Hazuki Natuno

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出会ってくれて、ありがとう

出会ってくれて、ありがとう

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69日ぶりに、再び振られる。
今度こそ、きちんと最後の予定だ。
なんか、変な日本語だ。
同じ人に2回、失恋している。
正確には、たぶん10回ぐらい失恋している。

好き過ぎる、というのは本当に問題だ。
アルコールだって薬物だって、摂取し過ぎると中毒でしかない。
同じように、好意や愛情も過剰は良くない。
わかっていて、コントロールできなかった。
彼に、申し訳なかった。

でも、好きになったことは1ミリも後悔していない。
好き過ぎて、迷惑をかけていた自覚はある。
その点に関しては、大変申し訳なかった。
だけど、好きになったこと、出会ったこと、全部後悔していない。
潔いまでに、本当に。

彼といると、不思議と安心できた。
人間として、非常に尊敬に値し、
男性として、非常に難しく、
仕事仲間として、背中を預けていられた。
出会えたこと自体が、宝物だった。

出会ってから150日ぐらいが過ぎた訳だが、
彼を好きになってから、ずっと「愛」について考えた。
何度も、何度も、彼のこと、彼のためになにができるか、考えた。
結論として、相手のためを考えると
「なにもしないこと」が彼にとって最上のことだとわかった。

できる最上のことが「なにもしないこと」というのは、私のような人間にはハードルが高かった。
私は動物に例えるなら、ティラノサウルスなラテン系肉食猪突猛進不安型である。
ハリネズミでアルマジロのような人とは、相性が悪い。
途中からコブラ対マングースとか、巨神兵対キツネリスのような距離感だった。
残念ながら、私はナウシカになれない。絶対に。

それでも、私は忘れないだろう。

撮るときに、守ってもらったこと。
撮らせてもらうときに触れた、髪の感触。
手を繋いだときの、体温。
彼と二人と歩いたときの、光。
この島のどこかで過ごした、時間。

私が彼にできることは「なにもしないこと」だけだ。
すでにこの文章自体が、蛇足だ。
それでも書いているのは、書かないと泣いてしまうからだ。
書かないと、泣けないからだ。
泣かないと、忘れられないからだ。

毎日、毎晩、彼の幸せを願っていた。
もう、こちらから連絡をとることは、ない。
それでも、やっぱり、彼の幸せを願っている。
いつも、笑顔で暮らしてくれることを、祈っている。
本当に。本当に。

出会ってくれて、ありがとう。