Hazuki Natuno

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回復とは、あなたが自分自身の最良の主治医になること

回復とは、あなたが自分自身の最良の主治医になること

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こんばんは、夏野葉月です。
私は最近、小笠原村における障害者福祉の改善提案に取り組んでいます。
先週は資料をA4サイズ3ページ分作り、小笠原村役場の総務課に相談に行きました。
今日は小笠原村村議会の議員さんにお時間をいただき、小笠原村の障害者福祉の現状と問題点と改善案の相談をしてきました。

私は精神障害者手帳2級を持っていて、躁うつ病(双極性障害Ⅱ型)と解離性同一性障害(多重人格)を闘病しています。
私は知的能力に支障がありませんが、気分の躁うつの波が激しく、病状が悪化すると複数いる別人格に切り替わるという独自の事情があります。
そうした事情のため、日常生活において行政やNPOや医師やカウンセラーも含めた専門家のサポートが欠かせません。

小笠原村は現在住民登録のある村民が2584人、そのうち障害を持つ人が55人います。
毎年小笠原支庁が公開している統計資料「管内概要 2021年版」によると、小笠原村には、身体障害者33名、精神障害者16名、知的障害者6名、合計55名の障害者の方が住んでいます。
現在小笠原村には2584名の住民登録があるので、障害者の住人の割合は2.128%です。

小笠原諸島における福祉、特に障害者福祉は当事者が少ないこともあり、正直充実していません。
私は小笠原村に再移住してから、行政や関係機関に相談に伺うことがありましたが、たらい回しにあったり相談自体を断られたり、歯痒い思いをしてきました。
そうした現状に我慢しているだけではいけないなと思い、最近行政や村議員の方などに問題を提起しています。
できれば12月の村議会の一般質問で、この問題を取り上げていただけないかと思っています。

私が小笠原村に対し、改善を提案している内容は次の通りです。

<小笠原村における障害者福祉の改善提案>
①小笠原村役場や小笠原支庁や社会福祉協議会などで実施している、小笠原村で利用できる福祉制度についてをまとめた案内ガイドを作成していただきたい
②障害者や福祉利用希望者が利用できる福祉制度の利用の基準を公開していただきたい
③障害年金を受給したい障害者に対して、障害年金の申請をサポートする制度を設けていただきたい
④小笠原村役場に精神保健福祉士の資格を持った職員を配置していただきたい
⑤障害のあるなしに関わらず、福利の利用を希望する人が福祉制度の担当者に相談を断られたときに、包括的に相談できる窓口を案内していただきたい
⑥現在の小笠原村の障害を持っている住民に、どのようなサポートを受けているか、またどのようなサポートを必要としているかをアンケートなどを行い、現在の福祉の利用状況を調査していただきたい
⑦アンケートの結果を踏まえ、障害を持っていてもいなくても、島民が住みやすい福祉政策を抜本的に制度設計していただきたい

なんとかこの問題が改善されるといいなと思います。

今日の議員さんに私の病気や障害やそれによる日常生活や就労の困難について説明をしたところ、彼に「つらいね」と言われました。
私はそれに対して「大変ですが、つらくはありません」と答えました。

私は、私は私の障害や病気が軽いものではないのは知っています。
これらの障害は、過去の私にはつらいものでした。
いまでも生きることは若干大変ですが、つらくはありません。

なぜなら、私は私の病気や障害を真っ向から受け止めているからです。
そして、障害から生まれる困難を「改善できる」と知っているからです。

私が25歳のとき、躁うつ病を発病したばかりのころ、躁うつ病についての一般書はほとんどありませんでした。
インターネットもまだ黎明期で、いまのようにスマートフォンもSNSもWebメディアもない時代です。
25歳のときに1度目の自殺未遂をして精神科病院に入院するときに、精神科医向けの双極性障害の論文集を自費で買って持ち込み、主治医に指導を受けながら読んで自分の病気の特性や病状を学びました。
その後も精神科病院に入院しながら、病棟から大学に通って単位をとって大学を卒業したり、障害年金の申請方法を徹底的に調べ上げて社会保険労務士に依頼しないで自分で書類を作成しました。
以前通院していた大学病院の教授が「あなたの虐待のトラウマは治療できない。カウンセリングはあなたに向かない」と言っても、懲りずに専門家を探し続けて、虐待やPTSDを治療できる精神科医とカウンセラーに巡りあい、治療を受けることができました。
25歳で闘病はじめてから20年間の闘病経験を積み、乳幼児の頃から10年以上受けていた虐待の被害を治療できた私だから、言えることがあります。

それは「癒えない傷はない」ってことです。
自分が良くなることを、信じることです。
自分の人生が良くなることを、信じることです。

どんなに有名な医者が「あなたは治らない」と言っても、
友達や家族が「あなたを助けられない」と言っても、それを信じる必要性はないのです。

大切なのは、他人に助けを求めることではなくて、あなたが自分自身の最良の主治医になること。
傷を受けたのも、苦しんでいるのも、あなたです。
だから、回復を選択できるのも、最適な治療を探せるのも、やっぱりあなたのなのです。

病気や障害は、大変です。
虐待も後遺症も、大変です。
でも、つらくはありません。

問題は乗り越える意思と方法があれば、単なる課題に過ぎません。
乗り越えるための方法を知る専門家やスペシャリスト、あなたを助けることができる組織や制度が必ずあります。
大事なのは、そこにたどり着くこと。
自分を助けてくれる正しい知識や情報やプロフェッショナルと出会えるまで、挫けないことです。

傷ついた人が助かる方法に巡りあうためには、サポートが必要です。
自分をサポートしてくれる窓口や情報やスキルにたどり着くことが、必要です。
本当は、心の傷で苦しんでいる人に駆けつけてくれる救急車があったらいいのにとも思います。

人間は、独りでは生きていけません。
ひとりで乗り越えられない問題も、助けあい、知恵を寄せあえば解決できることもあります。
私は、人は人に傷つき傷つけられますが、人を助け導くのも、また人なのだと思います。

どうか、このページを読んだあなたが回復を選べますように。
私も小笠原諸島で、自分にできることをしながら、生きていこうと思います。