Hazuki Natuno

Hazuki Natuno

Menu
一緒に生きよう 〜 大切な人が「死にたい」と打ち明けてくれたときに心がけたいこと 〜

一緒に生きよう 〜 大切な人が「死にたい」と打ち明けてくれたときに心がけたいこと 〜

Back to blog list

 こんにちは。この記事を目にしてくれて、ありがとうございます。
 あなたは「死にたい」と思ったことはありますか?
 また、あなたは大切な人から「死にたい」と打ち明けられたことはありますか?
 私は何度か自殺未遂を経験してきました。
 その経験からか、何度か「死にたい」と打ち明けられたことがあります。

 いま、私は死にたいとは思いません。
 だけど自分が死にたかったとき、あるいは大切な誰かに「死にたい」と打ち明けられたとき「どうしたらこの心の危機を乗り越えられるのだろう」と考えてきました。
 答えはないかもしれません。
 だけど、方法はあると思います。
 自分が助けられた過程で学んできた方法をご紹介したいと思います。

1:話を聴く

 「死にたい」と打ち明けれたとき、誰でも驚くと思います。
 大切なのは「聴く」ことです。
 ただ、聴くことです。
 自分の経験を話したり、助言をしたり、諭したくなったりするかもしれません。
 でも、あなたの大切な人は「あなた」に助けを求めています。
 この場合の助けとは、相手が不安や表現を求めていることをただ受け止めることです。
 受け止め、受け止めたうえで、判断することなくただ、聴きます。
 時としてただ聴くことは、話すことより難しいことがあります。

2:質問をする

 「死にたい」と打ち明けられたとき、必要な質問が幾つかあります。
 それは彼あるいは彼女が自殺をどのように実行しようとしているか、確認が必要なためです。
 必要な質問は以下の通りです。

1.「死にたいと思っているか」
2.「いつ、どんなときに思うのか」
3.「どのような方法で、いつ、実行したいと思うか」

 1番目の質問は本人への意思の確認です。
 よくある誤解は「死にたい」と打ち明けた人は実際には死なないと思われがちなことです。
 実際には「死にたい」と打ち明けた人の何パーセントは本当に実行します。
 ですから、自殺を実行したいと思っているかどうかの確認はとても重要です。

 2番目の質問は状態と状況の確認です。
 その人がどのような状態と状況で「死にたい」と思うのかは、その人自身がどのような原因でストレスを高め、状態を悪化させているのか理解する手助けになります。
 金銭的な問題か、家庭環境や仕事についての悩みか、犯罪に巻き込まれている可能性はあるか。
 あなたがあなたの大切な人に必要な専門家に助けを求めるために必要な情報です。

 3番目は緊急性の確認です。
 あなたの大切な人が致死性の高い手段(縊死や飛び込み、飛び降りなど)で自殺したいと考えていたり、すぐ自殺したいあるいは毎日自殺したいと考えている場合、専門家へ助けを求める必要があります。
 上手く話せないあなたの大切な人に代わって、あなたが専門家の人々にその人のことを説明する必要があるかもしれません。
 しっかりと慎重に、その人の本当の心の状態に耳を傾けましょう。

3:「秘密」を約束しない

 この項目は重要です。
 あなたの大切な人があなたに「死にたい」と打ち明けたことそのものを「他の人には言わないでほしい」「秘密にしてほしい」と言うかもしれません。
ですが、時としてその人の自殺を止めるために、専門家の助けを得ることが必要になるかもしれません。
 そのとき、あなたが他の人に話さないことを約束してしまうと、あなたの大切な人とあなたの約束は破られ、信頼関係が失われてしまう可能性があります。
 ですから、「死にたい」と打ち明けられたとき、このように相手に話してみましょう。

 「僕(私)に話してくれてありがとう。
 だけど誰にも話さないという約束はできない。
 誰にでも話すという意味ではないよ。
 だけど、あなたには専門家の助けが必要かもしれない。
 あなたを助けるために必要な場合は、私は専門家の人々にあなたの状態を説明したいと思う」

 相手の命を助けるために、時として「秘密」を約束しないほうがいいことを覚えておいてください。

4:専門家に助けを求める

 あなたの大切な人が実際に自殺を試みようとするとき、あなたの力だけでは止めることができないかもしれません。
 大切なのは、あなたもあなたの大切な人も「一人ではない」ということです。
 必要があれば、専門家の助けを求めましょう。
 専門家とは次のような人々です。

・医師(できれば精神科の専門医)
・カウンセラー
・警察
・消防署
・救急隊員
・自殺に関する電話相談
・都道府県や市町村など行政の福祉窓口

 あなたの大切な人はうつ病を含む精神疾患の影響にあり、自殺を考えてしまうのかもしれません。
 そんなときは精神科の専門医や医師に助けを求めましょう。
 薬では解決できない心の苦しみがあるかもしれません。
 そんなときはその悩みに詳しいカウンセラーの助けも必要になります。
 いまにも自殺しそうな状況では、警察や消防署に助けを求めることも有効です。
 救急隊員の中には命の危険性の高い人に対する対応に慣れている方が多くいることを覚えておいてください。
 時として自殺未遂は一度で終わらないかもしれません。
 そんなとき、専門の訓練を受けた電話相談も助けになります。
 また都道府県や市町村の行政の福祉窓口もサポートやアドバイスををもらえます。
 あなたの大切な人のために必要な助けは、なんでも求めてみてください。

5:まとめ 〜大切なのは、あなたがその人を大切に思っているという気持ち〜

 長くなりましたが、読んでくださってありがとうございます。
 自殺を止めるための正しいマニュアルや絶対的な方法はないかもしれません。
 大切なのは、あなたがその人を大切に思っているという気持ちです。
 もしも、あなたの大切な人が自分を傷つけようとしたり、危険な行動や言動をしようとしているときは、まず話を聴いてあげてください。
 そしてあなたがその人を「大切に思っている」ことを優しく表現してください。
 そして、自殺を止めるために必要だと思われる行動はなんでもとってください。
 あなたとあなたの大切な人の心の状態が少しでも楽になることを願っています。