Hazuki Natuno

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安心と信頼

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12月8日火曜日、曇り。
久しぶりに朝の海に来ている。
海は凪いでいて、とても穏やかだ。
曇りの空を映して、凪いだ波は湖面のように優しい乳白色をしている。
この穏やかな海を見ていると、小雨のような空模様もとても優しい音楽に変わる。
なんて美しい空と海に、囲まれているんだろう。
私は心の底から嬉しくなる。

このところずっと彼のことを考えている。
彼にほんの少し会えるだけでも心が波立って嬉しくなる。
彼のことを思うだけで不安になることもある。
不思議な位心の中が彼で占められている。
どうしたんだろうと我ながら思う。

私はこの理由を知っている。
彼がプライベートで出会った人で、唯一初めて安心と信頼ができた人だからだ。
安心と信頼と言う言葉を口に出すだけで私は泣きそうになる。
私の人生に全く足りなかったもの、それでいて私が本当に求めていたことだからだ。

私は誰かを愛することと愛されることに、とても怯えていた。
いつも誰かが私を傷つける環境の中で、いつも誰かの言動に傷ついていた。
母親の言動や祖母の暴力や虐待。
それ以外にも学校でのいじめや教師からの暴力、友達からの不信に満ちた言動。
私の身の周りではそういったものが溢れていた。

今こうして振り返ると、それがどれだけ異常な環境だったかがわかる。
それでもその環境が、私に生きていくための唯一の環境だった。
どんなに辛くても、どんなに逃げたくても、私はその環境下で生きていくしかなかった。
だから傷つけられないために、これ以上傷つかないために、だれも信頼せず人に壁を作って生きてきた。

9月に本当に調子を崩したときに、人の言動に怯えてとても疲れきっていた。
無理ができなくて、無理ですと言うこともできなくて、本当に苦しかった。
だからだろう。
彼の些細な気遣いが嬉しかったのは。

彼から見たら私は信頼のおけない人だろうと思う。
あれだけ仕事で頑張り、仕事における信頼を大切にしている人に、仕事の場でぼろぼろな私を見せた。
仕事をきちんとこなしてもらうために、彼は私に対して気遣うことにとても苦労したに違いない。
それはわかっている。
私が心の底から彼に信頼される日は、ひょっとしたら永遠に来ないのかもしれない。

それでも手放すことができない気持ちがある。
彼に対して安心を感じたときのあの安堵感。
そのことを考えるだけで泣きそうになる。

私は彼に信頼されたい。
私は彼に安心してもらえるような関係を築きたい。
そのために人から信頼されたり安心されたりする以前に、私が私自身と信頼し安心できる関係を築く必要がある。

私は彼を好きなのかどうかも、すでによくわからない。
小さな子供が親の足にしがみつくみたいに、初めて感じた安心から自立できないだけかもしれない。
それでも私にとってこの安心がとても貴重で、とても素晴らしいものだと私は知っている。
人は私を傷つけるだけの存在ではないと生まれて初めて感じられた。
本当に彼には感謝している。本当に。

この感謝が彼にうまく伝わらないことが本当に歯がゆい。
百万回伝えても彼にはうまく伝わらないに違いない。
それでもいいのかもしれない。
神様が私を彼に出会わせるように采配してくださったこと。
私が彼に出会って学んだことや受け取ったもの。
それはいつか私が彼と会えなくなっても、消えるものではないのだろう。

一生を変える出会いがある。
自分の今までの人間性や、価値観を覆すような出会いがある。
彼との出会いは私にとってそうしたものだった。
私はもう自分に与えられた。
今はこの与えられたものを私の中で育てて、芽吹くように大切に見守りたいと思う。

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