こんにちは、夏野葉月です。
今日は私の考える「心を回復させるために必要な3つの大切なこと」について、書いてみたいと思います。
大切なことは次の3つです。
1つめは「精神疾患についての基礎知識を持つこと」。
2つめは「自分の本能が伝えるメッセージに耳を傾けること」。
3つめは「自分を好きでいること」です。
1:私自身の闘病と回復の経験
私は25歳で躁うつ病を発病し、以来19年間闘病しています。
その間、入院や自殺未遂を経験したり、人格障害だと誤診を受けたり、解離性同一性障害でもあることがわかったり、いろいろありました。
障害者手帳も3級から2級に上がり、障害年金も受給しています。
こうした闘病とそれに伴う社会手続きを経験したおかげで、私は精神疾患との闘病と回復のための経験値が豊かになりました。
約20年闘病していると、いろんなことがあります。
初対面の人に「実は私も心の病を闘病していて…」と打ち明けられることも数多くありました。
また、生活や体調や家族状況を聞いて、その人の精神疾患のリスクをある程度予測できるようになりました。
多種多様な精神科の薬を飲んできたので、どの薬がどんな効果や持続性があるか、体感でわかっています。
社会や行政に援助を受けるために必要な手続きや、障害者やマイノリティへの手当やサポートが手厚い自治体がどこかも知っています。
2:精神とは、心そのものではない
人間は、何もしないで精神疾患にかかる訳ではありません。
精神疾患は生活習慣病に近いものがあります。
精神とは、心そのものではありません。
脳神経の中にある脳内伝達物質や、感情を感じる自律神経、身体を支える様々な筋肉も、実は「心」を構成しています。
私たちが感情を感じるものが心だとしたら、心を構成するセンサーは多種多様なものが組み合わさったものです。
このセンサーのバランスを支えているのは、「睡眠」「食事」「ストレス」です。
これらのバランスが崩れると、人間は精神疾患を発症します。
精神疾患は「心の病気」ではありません。
脳を含めた身体性を伴う病気であって、感情や肉体や生活を全て整えて、初めて治癒していくものです。
その治癒をサポートするために、薬や診察やカウンセリング、家族や友人の心の支えが必要です。
同時に金銭の問題を解決したり、過重な負担にならない仕事をしたり、行政や福祉のサービスも必要です。
こうした複合的な要素から構成された支えが、精神疾患の治療には必要です。
逆に言うと、精神疾患は非常に複合的でデリケートな問題が重なることで発症します。
だからこそ、治癒のために必要な手段も多種多様なのです。
医療も行政や福祉のサポートも、友人や家族の愛情も、疾患を闘病する患者の生活向上に必要なものです。
3:精神疾患の予防のために大切なこと
逆に言えば、精神疾患は予防も可能です。
ではこうした複合的要素で構成された精神疾患を予防するには、どうしたらいいでしょうか?
私の考えるポイントは3つです。
1つめは「精神疾患についての基礎知識を持つこと」。
2つめは「自分の本能が伝えるメッセージに耳を傾けること」。
3つめは「自分を好きでいること」です。
4:精神疾患についての基礎知識を持つ
では、「精神疾患についての基礎知識を持つこと」とはどんなことでしょうか?
例えば、私は躁うつ病を闘病しています。
私は体質的に躁になると脳内のアドレナリンが出やすく、同時に脳内で出たアドレナリンのコントロールがしづらいという特徴があります。
こうした特徴を私はわかっているので、創作活動をする場合はアドレナリンを出やすい食事や環境を整えます。
またアドレナリンが出過ぎていると感じたら、興奮しやすい環境や活動パターンを控え、アドレナリンが出る機会そのものを抑制します。
このように、脳内物質には様々な特徴があります。
抗うつ効果のある脳内伝達物質のセロトニンも、幸福感をもたらすオキシトシンも、行動や生活習慣によって、ある程度のコントロールが可能です。
セロトニンは太陽を浴びることで活性化します。
だから、私はなるべく太陽を浴びることで、うつを予防しています。
またオキシトシンは他の人に親切にすることで多く分泌されるので、私は他の人にいつも意図的に親切にすることを心がけています。
このように様々な脳内物質の働きも、精神疾患の発病と関係しています。
脳内物質以外にも、休息の仕方、栄養や食事の取り方、対人ストレスを減らすコミュニケーションの方法など、精神疾患にまつわる知識は多種多様なものがあります。
こうした精神疾患に関する基礎知識を持つことは、心の病の予防に確実に役立つのです。
5:自分の本能が伝えるメッセージに耳を傾ける
では2つめの「自分の本能が伝えるメッセージに耳を傾けること」とはどんなことでしょうか?
それは自分の感情と肉体が求めるものに素直になる、ということです。
私たちは本当は好きなことや嫌なことを知っています。
ですが、成長過程で教育現場や社会の中で「嫌なことでもやらなくてはいけない」と教えられます。
確かに、苦手なことや嫌なことを避けていたら、生きていくことが難しい場面もあります。
その一方で、本能が伝える「やりたい」「好きだ」「嫌いだ」「休みたい」という本音を受け取ることは、とても大切なことです。
本能とは、生存欲求に含まれた生きていくためのプログラムです。
感情や肉体というセンサーは私たちが生きていくために必要な情報をキャッチし、私たちのマインドに伝えます。
このとき、本能の伝えるメッセージを受け取る力が弱っていると、私たちは判断を誤ります。
休んだほうがいいのに無理して働いたことは、誰しも経験があることです。
そうした無理は一時的なものであるならともかく、継続的には続きません。
生きていくために「やりたくないことをやらないこと」や「休みたいときに休む」という選択は、必要なのです。
こうした本能の声は決して大きくはないので、私たちは感情や身体が伝えるメッセージに注意深く耳を傾けることを心がけることが大切です。
6:自分を好きでいること
では、3つめの「自分を好きでいること」はなぜ大事なのでしょうか?
「好き」とは、つまり愛の力です。
自分を好きでいることとは、自分で自分を愛していることです。
愛は抽象的な概念ではありません。
純粋にエネルギーとして、存在します。
私たちは、社会の中で生きていく上で、愛を必要とします。
愛がもたらすものは「肯定」です。
肯定とは「生きていていいよ」「そのままでいいよ」というメッセージです。
生きることを認め、励ますこと。
相手の幸せを願うこと。
生きていることを祝う。
それが愛の本質です。
そして、それは一種のエネルギーとして私たちの心を支えています。
では、自分を好きになれないとき、自分を愛せないときはどうでしょうか?
私たちが自分を愛せないときとは、心に光がない状態です。
その状態を放っておくと「生きていていい」と思えなくなります。
そして、さらにエネルギーが枯渇していくと、「生きていたい」という気持ちも摩耗していきます。
人間は自分たちが自覚するより、スピリチュアルな存在です。
心の中の愛が枯渇すると、花が枯れるより早く、心が枯れてしまいます。
愛とは空気のようなものです。
目に見えませんが、生きていくためには欠かせないものです。
そして、一番大切なのは「自分で自分を愛すること」。
それができていれば、どんなに過酷な苦難が起きても、乗り越えることができるようになります。
7:どんな苦しみがあっても、あなたは幸せになることができる
これを読んでくださっている方の中には、ある一定の苦難があるかもしれません。
悩んだり、苦しんだり、私のように精神疾患を闘病しているかもしれません。
それでも知ってほしい大切なことは「苦難と幸福は共存が可能だ」ということです。
苦しみは全てはなくなりません。
でも苦難が全てでもありません。
どんなに大変なことでも、誰も何者も、あなたが幸福になることを妨げることはできないのです。
もし、あなたがあなた自身やあなたの大切な友達が、精神疾患になるほど苦しむことがあったら、次のことを伝えてください。
精神疾患は予防できます。
そして、治癒も可能です。
大切なのは次の3つです。
「精神疾患についての基礎知識を持つこと」。
「自分の本能が伝えるメッセージに耳を傾けること」。
「自分を好きでいること」です。
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あなたやあなたの大切な人の心が、軽くなることを願っています。