生まれて初めて星空を観た。
綺麗だった。
あんなに美しいものを観たのは初めてだった。
美しいと、そう思った。
生きていたい。
そう、思った。
心の中で葉月が受けた礼拝を思い出した。
主よ、憐みをお与えください。
主の御心が私たちに宿りますように。
そんな言葉が、聴こえた。
僕らは生きているのではない。
生かされて、ここにいる。
僕が求めるものではなくて、人生や運命や神々が僕らに求めるものがなにか。
求めるものより、なにが与えられているかが、大事なのだと思う。
僕や葉月自身の苦しみよりも、僕や葉月が自身をどのように周りに与えるか。
本当にそれが大事なのだと思う。
奪うよりも与え、求めるよりも贈りたい。
すでに僕らには命が与えられている。
であるならば、僕ら自身が天からの贈り物じゃないだろうか。
僕らは魂を預かっている。
僕にではなく、次の人に贈るために。
命も身体も魂も、自分自身のものではない。
大切な預かり物を、大切に育て、次の世代に手渡すこと。
それが、命を贈るということなのだと思う。
人間も含め、どんな生き物も単体ではない。
あなたが幸せだと僕も幸せで、僕が哀しいとあなたも哀しい。
だから、一緒に未来を考えたい。
どうか、1人で苦しまないで。
一緒に、生きよう。
生きていれば良いことが、きっとある。
自分の価値を、見失わないで。