Hazuki Natuno

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男の親友

男の親友

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普遍的なテーゼに「男と女は友達になれるか」というやつがある。
よく女性誌で取り上げられる、あれだ。
私は成り立つと思うし、自身男友達は多い。
ただし「男と親友に成り得るか」と聞かれたら否と応える。
それは友情ではない。友情だと錯覚したどちらかの片想いだ。

生涯に二回だけ、告白されたことがある。
どちらも親友だと思っていた男友達からのものだった。
素晴らしく鈍いことに私は彼らからの好意に気がついていなかった。
要するにあちらの恋情に気づかぬままに友情だけが育ってしまった訳だ。

こういうことって結構ありがちなことではないだろうか。
年をとってからそう思うようになった。
恋は異性が異性であるからこそ成り立つ。
友情は異性の垣根を越えるものだ。
一度超えてしまうと、異性に戻ることは難しい。
難しいまま、言い出せなくなる。
しかも恋している方がシャイで、されているほうが鈍いと最悪だ。
どうも私の場合このケースだったらしい。

結果はどちらも恋には発展しなかった。
そもそも人間として好きだから親友と呼べるほど親しくなったのだが、人間として好きであることと異性として好きであることはまた別個だ。
まぁ、それ以前に告白されたときに別の異性を私が好きだったことがすべての原因なのだが。
よく恋愛は相性とかタイミングとかいうが結局度胸ではないかと思う。
友達になれた時点で見込みは0では無い訳だから。

という訳で男性および女性諸君。
好きな異性と友達となれたらさっさと告白してしまえ。
親友になぞなったら最悪だぞ。その恋に見込みはなくなるから。