Hazuki Natuno

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「生きている」ことに、ありがとう。

「生きている」ことに、ありがとう。

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シンガポールでの新婚旅行から、帰国しました。
旅の途上は無我夢中だったけれど、こうして帰国して落ち着いた環境に戻るとなんて良い旅行だったのかと思います。
同時に「生きていて、良かった」と心から思います。

今年の夏は本当に具合が悪くて、比喩でなく何度か死ぬことや離婚することを考えました。
きっとそれは本心ではなかっただろうといま振り返れば思う。
だけど、追い詰められてしまうと冷静になる余力がありませんでした。
職場の上司や先輩、家族や友達にも本当に心配かけたと思います。

上司の配慮で、新婚旅行の前後も含めて約2週間の休みをいただきました。
日本にいるときはひたすら写真をプリントし、旅行中は撮るか旅を楽しむかの日々の中で悩みがどこかに融けて消えていきました。
人間が悩み、苦しむときは幻影を見ているようなものかもしれません。

私の何人目かの主治医の名言で、私はいまよりもずっと病状が悪くて苦しんでいたとき、主治医に「楽しいことだけ考えて、楽しいことだけしなさい」と言われたことが何度となくあります。
いま思えば本当に名医な人でした。
病院で薬ではなく「楽しむこと」を処方されたのはその先生が初めてでした。

いまも油断すると、生きることを疎かにしてしまう。
だけど、生きる原動力とは「楽しむこと」なのだと思う。
そして、いまは生きていることが楽しくて嬉しい。
そう、思えることが嬉しいし、ありがたい。
こんな風に思えるようになれたのは夫との出逢いと友人たちの暖かな支えのおかげです。

ありがとう。
生きていて、良かった。

この気持ちを、誰かに伝えられるようになりたいな。
そして、生きることの原動力である楽しむことや喜ぶこと、なにより感謝できる気持ちを、誰かに恩返ししていけたら良いなぁと思っています。