Hazuki Natuno

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一緒に生きよう 〜「躁うつ病」について知ろう 〜

一緒に生きよう 〜「躁うつ病」について知ろう 〜

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 躁状態と聴いてあなたはどんなことを思い浮かべますか?
 躁状態とは元気すぎる、多弁になる、物欲や性欲が亢進するなど、うつとは正反対の状態です。
 ですが、躁状態とうつ状態は双子のような関係で、うつがあってこそ躁があり、躁があってこそうつがあります。
 そして躁とうつを一人の人が交互に病状として発現する病気を「躁うつ病(双極性障害)」といいます。

1:躁うつ病の特徴

 躁うつ病の難しさは「うつだけでなく、躁状態があること」の一言に尽きます。
 元気が出ず生活に差し障りが出るうつ病は「いかに回復するか」が闘病生活の目標になります。
 ですが、躁うつ病はきちんとした服薬をやめると再発する確立が高く、言い換えれば一生の服薬や通院が必要になります。
 また、闘病に必要なリーマスのような気分安定薬が妊娠時に胎児に対する奇形性があり、女性にとって病気であることを受け入れることが難しい病気です。
 そのため、統合失調症、てんかんと並び、躁うつ病は精神疾患の中でも難病に数えられています。

2:躁うつ病とのつきあい方

 では、どのように躁うつ病とつきあったらいいのでしょうか。
 まずは「病識を持つこと」です。
 病識とは病気にかかっている自覚を持った意識のことです。
 躁うつ病はうつ病と同じく、うつ状態からはじまることの多い病気です。
 ですが、闘病の途中で躁転といい、病状が躁に転じることがあります。
 うつ状態に比べて躁状態は患者本人には非常に楽になっているように感じられます。
 しかし、過剰に行動し、万能感を感じるあまり行動しすぎ、お金を使いすぎたり、性的トラブルを起こすなど、本人には自覚がなくても行き過ぎた行動が多くとられるのが躁状態の特徴です。

3:躁うつ病の「躁転」を予防しよう

 ところが、うつが強く続いたあと、躁転により躁状態がはじまると「病状が楽になった」と感じてしまう人が多いのです。
 このうつから躁に転じた状態を「躁転」と言います。
 大変なのは躁転した後です。
 躁状態が激しければ激しいほど、その後にやってくるうつ状態も強いものになります。
 なぜなら、躁状態のときは自覚できない疲労がうつ状態のときに一気に心と身体を襲うからです。
 だからこそ、躁うつ病の場合は躁状態のときの自制や自覚、自分のコントロールが大切です。
 そして自分の心や病状のコントロールのためにも病気、つまり「自分は躁状態になっている」という自覚や「躁うつ病だ」という意識が必要になってきます。

4:まとめ 〜病気と共存して生活しよう〜

 幸いなことに、躁うつ病は病状を安定させ、定期的な通院と正しい服薬を継続的に行うことができれば日常生活を送ることが可能です。
 その一方で自殺率も高く、きちんとした闘病とまわりのサポートが必要な病気でもあります。
 人間は、どうしても逃げられない困難が降りかかることがあります。
 難しい病気の闘病もその一つです。
 そんなときこそ、希望を持ち、病気と共存し、生活の質をあげていくことを目指すことができたら素敵ですね。