Hazuki Natuno

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一緒に生きよう 〜 うつ病や躁うつ病を含む病気群「気分障害」について学ぼう 〜

一緒に生きよう 〜 うつ病や躁うつ病を含む病気群「気分障害」について学ぼう 〜

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 私の病気の名前は「双極性障害」と言います。一般的には「躁うつ病」という名前で知られています。
 25歳で発症し、長い間、闘病を続けてきました。良いこともあれば、悪いこともありました。
 闘病をすることで社会生活を営むことが困難にもなり、その一方で、様々な学びもありました。私にとって試練であると同時に人生の贈り物でもあるこの病気について書いてみたいと思います。

 私たちがうつ病、躁うつ病の名前で知る病気群を「気分障害」と言います。
 文字通り、気持ちの波をコントロールできなくなる病気です。
 気分障害は主に「うつ病」「躁うつ病」「気分変調」「適応障害」の4つに病気に分けられます。

1:「大うつ病(うつ病)」とは

 大うつ病は気分障害の中でもっとも一般的な病気です。
 「うつ病」という場合、この大うつ病を指すことが多いです。2週間を超えるうつ状態が続くことがこの病気の特徴です。
 大うつ病にかかる人はうつ病にかかる前に2週間以上の気分の変化が現れ、次の特徴のうち、1つないし2つの兆候が表れます。

・耐えきれない悲しみを感じ続ける。
・普段なら楽しいはずの行動に、興味や関心がわかない。

 この気分の状態が2週間以上続くなら、うつ病を疑ってみる必要があります
 また、大うつ病には毎日もしくは不定期に以下の特徴のうち、少なくとも4つ以上の兆候が現れます。

・体重が大幅に減る、もしくは増える。
・眠りが浅くなる、あるいは眠れない。
・動きが遅くなる、または落ち着かなくなる
・自己評価が低くなる。
・自分に価値を感じなくなる。
・強い無力感や絶望を感じる。
・考える力や集中力が低下する。
・性欲が著しく減少する。
・死や自殺について何度も考える。

 大うつ病は一度しか起きないこともあり、また再発をすることもあります。
 大うつ病はがんなどの重篤な身体疾患にかかると起きやすくなり、不安障害や摂食障害など他の病気と併発することもあります。

2:「気分変調」とは

 気分変調とは暗い考えがずっと続く軽度のうつ病の病態で、長く続くことが特徴です。気分変調は少なくとも2年間、長いときは5年以上暗い考えが続き続けます。
 気分変調にかかると社会に参加しなくなったり、生産性が落ちます。
 また、気分変調は大うつ病を発生するリスクが高くなり、同時に大うつ病と併発することもあります。
 気分変調の症状として、以下のものがあります。

・集中したり、決断することが困難になる。
・社会的に引きこもる。
・落ち着きがなくなり、あるいは動きが鈍くなる。
・眠りが浅くなり、あるいは眠れなくなる。
・体重が大幅に減る、もしくは増える。

3:「適応障害」とは

 ストレスが多い出来事や状況に対する反応は人それぞれです。
 結婚生活の終わりや、会社が倒産したり、がんの宣告を受けるなど大きなストレスを感じるできごとがあるとします。
 ほとんどの人は人生におけるストレスの連続に続く結末を受け入れることができますが、それができない人もいます。
 その人々がかかる症状が適応障害と呼ばれているものです。
 適応障害の症状として、医師が診断する基準となるものは以下の通りです。

・過去3ヶ月以内に生じた確認しうる出来事に対する反応として感情と行動に支障が出る。
・出来事に対する反応が通常のものより、超えるものである。
・症状が身近な人との死別を原因としない。

4:「双極性障害(躁うつ病)」」とは

 うつ病の人によってはうつ状態と躁状態がそれぞれ定期的あるいは不定期に繰り返し起こることがあります。
 極端なうつ状態と躁状態が交互に続き、そのことでその人が日常生活を送ることが困難になります。
 この症状を持つ病気が双極性障害です。一般的には躁うつ病の病名でも知られています。
 双極性障害にかかると、考えにまとまりがなくなり、常にエネルギッシュな状態になり、購買欲や性欲などが強くなり歯止めが効かなくなる一方で、躁状態の多行動がうつ状態を引き起こすことがあります。
 躁状態の症状とは以下の通りです。

・非常に活発になる。
・心のエネルギーが高くなり過ぎる。
・あまり眠らなくても平気になり、睡眠が短くなる。
・自分を必要以上に過信する。
・短気になり、怒りっぽくなる。
・おしゃべりになり、多弁になる。
・判断力が鈍る。
・性欲が高まり、性的行動に逸脱が見られるようになる。
・行動が活発になり、言動が攻撃的になる。
・アルコールや薬物を乱用するようになる。

 双極性障害には「双極性Ⅰ型」「双極性Ⅱ型」「気分循環症」の3つの型があり、いずれも適切な医療を受診することで病状の軽減を目指し、自殺のリスクを減らすことが大切です。

5:まとめ 〜病気について学び、症状をコントロールしよう〜

 一般的にうつはよく知られていますが、躁はあまり知られていません。
 ですが、躁はうつのもう一つの側面であり、躁がひどくなればうつに転じたときの病状もひどくなり、うつがひどい状態では躁に転じたときの波も高く、社会生活が困難になるという特徴があります。
 躁でもうつでも、自分をコントロールし、そしてできないときは医師や服薬も含めたまわりのサポートを得ながら闘病することが大切です。