あなたは自分が我が儘だったり、自己中心的な人間だと思うことはありますか?
あるいは周りの人で自己中心的な人がいて、その人の振る舞いに悩むことがありますか?
この記事では「自分や他人の自己中心的な言動に悩んだとき、どうしたらいいか」について書いてみたいと思います。
1:自己中心的な言動はなにが問題なのか
私は長年、私自身が自己中心的な気質があって、悩んできました。
いまはそうでもないのですが、一時期「なんでも思い通りにならないと気が済まない」という状態が続きました。
また家族や友達にも自己中心的な人がいて、その人達の言動にも悩んできました。
自己中心的な言動は、何が問題なのでしょうか。
自己中心的な人の問題とは「言動で周りをコントロールしようとする」ことです。
人間は、他人にコントロールされることを好みません。
自分のことは、自分の好きなようにしたいという気持ちがあります。
自分の部屋は、自分の好きなインテリアにしたい。
自分の食べたいものは、自分で選びたい。
これは普通のことです。
2:自己中心的な人は、周りを思い通りにしようとする
ですが自己中心的な人は「自分の周りを、自分にとって都合の良いようにコントロールしようとする」という癖があります。
パワハラやセクハラ、親による子どもへの過干渉など様々なケースがあります。
こうしたことに共通するのは「なんらかのパワーで、相手の行動を自分の思い通りにしようと支配しようとすること」です。
それでは自己中心的な人たちは、なぜ周りをコントロールしようとするのでしょうか。
それは彼らが「自分で自分のことをコントロールできていないから」です。
自分で自分のことをコントロールするというのは、言い換えれば「自分に対する自己決定権を持つこと」です。
自己中心的な人は、自分の周りに嫌なことや都合が悪いことがあったとき、それを「他人のせい」だと考えます。
人間は自分の思い通りになると嬉しいですし、自分にとって悪いことが起こると嫌な気分になります。
彼らは、自分に起きた出来事の中で不都合な出来事を「他人のせい」だと考えます。
そして愚痴や悪口を使って相手を攻撃したり、自分の言動で状況を思い通りにしようとしたりします。
彼らは自分を機嫌良い状態に保つために、周りの言動をコントロールせずにおれないのです。
3:自分の感情は、自分で選択できる
ですが、自分の気持ちや感情の責任者は自分です。
どんなに自分にとって、どんなに不都合な出来事がことが起きても、その出来事にどんな感情を持つか、私たちは選択できます。
例えば、受験を例にとって考えてみてください。
あなたの第一志望の大学が東大だと仮定して、東大に落ちたとします。
東大に不合格だったことで、あなたは落ち込むかもしれません。
でもその受験の失敗を「ポジティブに捉えるか」「ネガティブに捉えるか」の選択はあなたにあります。
「合格しなかったのは、受験をもっと応援しなかった親が悪い」と考えることもできます。
あるいは「合格しなかったのは、自分にもっとあった大学に巡り会うためだ」と考えることもできます。
良い出来事が起こったとき、あるいは悪い出来事が起こったとき、あなたがその出来事をポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかで、感情は変わります。
4:感情を選択するうえで大切な「出来事への解釈」
「起きた出来事」と「出来事への感情」は、実は直結していません。
出来事に対し感情を感じるのは、自動反応ではないんです。
感情を感じるとき、感じる前に「出来事への解釈」が入ります。
出来事が起きたとき「なぜ起きたかの意味を考える」こと、これが「出来事への解釈」です。
例えば癌になったとき「癌になって私は不幸だ」と捉えるか、「いま癌になったことは私の生活を改めようという警告で、生活を変えるチャンスだ」と捉えるかで、その後の感情は大きく変わります。
私たちは、起きた出来事は変えられません。
でも、出来事への解釈を選ぶことで、感情を選択することができます。
私たちは何が起きても、自分に起きた出来事をポジティブに考えることも可能なのです。
ですが、自己中心的な人は「自分の感情をどのように感じるかは、自分で選択できる」ことを知りません。
だから自分の感情は他人の言動によって起こっていると考えるので、他人の言動を自分にとって都合の良いものになるよう、コントロールしようとするのです。
5:大切なのは「自己決定権を持つこと」
では、自分が自己中心的な人間だと自覚があり、自分の言動を変えたい場合はどうしたらいいでしょうか。
答えはシンプルです。
「自分の感情に責任を持ち、自己決定権を持つこと」です。
自己中心的な人は、自然発生的に生まれる訳ではありません。
遺伝的要素があるからなる訳でもありません。
自己中心的な人は、過去に親や生きてきた環境の中で自己決定権や自分の感情を自分らしく感じる選択肢を奪われ、結果自分のコントロールをなくしてしまった人たちです。
つまり、自分の感情を選択しているのは自分だと理解し、自分の感じ方を選び、自分らしく生きられるようになると、自己中心的に生きる必要はなくなるので、言動が改まります。
私たちの幸福には「自己決定権」が必要です。
自分の感じ方や生きるうえでの選択を自分で決めることができること、それが非常に大切なんです。
6:自分以外の自己中心的な人に出会って悩んだときは
それでは、自分以外の自己中心的な人に出会って、彼らの言動に悩んだときはどうしたらいいでしょうか。
方法は3つあります。
1つめは「自分の感情の選択肢を自分で持ち、自分の自己決定権を保つこと」。
2つめは「自分を尊重し、嫌なことには『嫌だ』ということ」。
3つめは「彼らの言動が改まらないときは、距離を置き、離れること」です。
彼らは、生きてきたどこかの段階で、環境や周りの人に「自己決定権を奪われてきた人」です
自分が奪われたものを、他人から取り戻そうとして、自己中心的に周りをコントロールしようとします。
彼らと出会ったら、自分の感情と行動にしっかり責任を持ってください。
他者をコントロールしようとする彼らの言動で嫌な思いを感じることもあると思います。
でも彼らから嫌な思いを感じたとき、その感情や状況を押しつけられる必要はありません。
そのためには「自分の自己決定権を保つこと」がとても大切です。
そのうえで、相手が言動が嫌なことだったら「嫌だ」とはっきり伝えてください。
そして「嫌だ」と伝えてもやめてくれないときは、彼らと距離を置き、離れてください。
7:大切なのは「相手をコントロールしようとしないこと」
この3つをするうえで大切なのは「あなたも相手をコントロールしようとしないこと」です。
仮に相手が非常に自己中心的な人で、彼らに嫌な思いをしたとしても、それでも彼らの言動を改めさせることは不可能です。
人は、他人を変えることはできません。
どんなに相手の言動が間違っているように思えたとしても、それでも相手を変える権限はあなたにはないのです。
あなたに変えることができるのは、あなたのことだけです。
そして、自分の言動や感情を変えていくことができると、相手が変わることもあります。
変化は強要できない。
そのことを頭の片隅に留めておくと、思い通りにならないことが目の前で起こっても腹が立たなくなります。
8:まとめ 〜 お互いの自己決定権を尊重しよう 〜
大切なのは「自分の自己決定権を自分で持つこと」。
そして「相手の自己決定権を尊重すること」。
そのうえで、お互いにとって適切な距離でつきあえると、対人ストレスが減ります。
長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。
あなたが自分の感情を自分で選択して、幸福な気持ちで毎日を送れることを願っています。